ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレス保護作用を発見
ホリスティックリサーチセンターでは、植物のホリスティックな力や個性を日々探究しています。今回発見したのは、様々な外的要因によって蓄積する酸化ストレスに対してローズマリー芳香蒸留水が与える効果についてです。酸化ストレスは肌の恒常性を乱す主要因で、肌を酸化ストレスから守ることは健やかな肌に導くために重要です。そこにローズマリー芳香蒸留水が与える影響を紹介します。
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肌ダメージに繋がる酸化ストレス
肌は外界と接する最大の臓器であり、加齢や紫外線、摩擦などの外的要因によって私たちの肌では活性酸素種(以下、ROS)が産生されます。このROSが過剰になることを酸化ストレスをいいます。酸化ストレスは細胞機能の低下や炎症反応を引き起こし、肌においてはしわやたるみ、炎症などのダメージを与えることが知られれています(図1)。
図1. 酸化ストレスの影響
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芳香蒸留水とは
芳香蒸留水は、植物を水蒸気蒸留する際に得られる副産物であり、微量の揮発性成分や水溶性成分を含みます。精油の生産過程で大量に生成される芳香蒸留水を有効活用することは、資源循環型のサステナブルな取り組みとしても重要です。しかしながら、芳香蒸留水の機能性に関する報告は十分とは言えず、機能性を見出すことは活用の拡大に向けた課題となっています。
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ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレス保護作用
そこで今回は、皮膚角化細胞を用いて、ローズマリー芳香蒸留水が酸化ストレスに対してどのような生理活性を示すかを検証しました。
➊細胞生存率の向上とROS産生の抑制
通常は、皮膚角化細胞に酸化ストレスを与えると細胞生存率を低下させ、細胞内ではROSが発生します。実験の結果、ローズマリー芳香蒸留水群では、酸化ストレスによる生存率の低下が改善することが確認されました(図2-a)。また、蛍光顕微鏡の観察において、細胞内のROS産生が抑制されることが確認されました(図2-b)。
図2.ロースマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する保護作用
(a)試験方法:ローズマリー芳香蒸留水を皮膚角化細胞に添加し、1時間培養後に洗浄した。そこに酸化ストレスを与えて1時間培養後に洗浄、さらに24時間培養後に細胞生存率を比較した。(b)試験方法:皮膚角化細胞にローズマリー芳香蒸留水を添加し、さらに酸化ストレスを与えて、細胞が産生するROSを蛍光顕微鏡で観察した。緑色は産生したROS、青色は生細胞を示す。
出典:THREE ホリスティックリサーチセンター調べ -
➋炎症性因子の発現抑制
酸化ストレスによって上昇する炎症性因子IL-1β、IL-6、およびTNF-αの遺伝子発現を解析した結果、ローズマリー芳香蒸留水処理群では、これらの炎症性因子の発現を抑制することが認められました(図3)。
図3. ローズマリー芳香蒸留水の酸化ストレスに対する抗炎症作用
試験方法:ローズマリー芳香蒸留水を添加した皮膚角化細胞に酸化ストレスを与え、
IL-1β、IL-6、TNF-αの遺伝子発現量をローズマリー芳香蒸留水ありなしで比較した。
出典:THREE ホリスティックリサーチセンター調べ -
芳香蒸留水の新たな機能的特性
今回の発見により、ローズマリー芳香蒸留水が酸化ストレスによる炎症性因子の過剰発現を抑制することが確認され、抗酸化作用とともに抗炎症効果を示すことが示唆されました。この結果から、ローズマリー芳香蒸留水は加齢や紫外線、摩擦などの日常的な外的要因から皮膚を保護することが期待されます。
本研究は城西大学薬学部との共同研究で行われ、2026年3月の日本薬学会において発表しております。